メールは、以下のみなさまに配信しております。

●弊社のお客様
●メルマガ登録をされた方
●弊社代表やスタッフとお名刺交換させて頂いた方

【PR】
ムスリムフレンドリー商品が瞬時に見つかるAPPはこちら
オープンより好評!CoCo壱番屋ハラール2号店はこちら
ついに登場!横浜SARIOにてハラール水餃子!はこちら

皆様、お世話になります。

フードダイバーシティ株式会社の和田です。
今回のメルマガは、ブルネイで行われたハラールの展示会(BruHAS)とブルネイのハラール市場についてご紹介します。

1.ブルネイとは?

皆さん、ブルネイという国をご存知でしょうか。 ブルネイは、マレー半島の東、ボルネオ島の北東部に位置します。

ブルネイは、42.3 万人(2016 年、外務省)の人口で、 国土は 5,765 平方キロメートル(三重県と同じ大き さ)です。
イスラム教を国教とし、国民の 78.8%がイ スラム教徒となっています。(外務省) 国の主要産業は石油であり、GDP の大半を天然資源 で占めています。

2.ブルネイのハラール市場/ブルネイハラールの現状

さて、国民の約 8 割がムスリムですが、ブルネイのハラール市場、日常におけるハラールはどのよう なものでしょうか。
そもそも、ブルネイは国教がイスラム教であり、法律もイスラム法によって定め られています。したがって、国内でのアルコール販売がされていたり、スーパーでも豚の販売が隔離されていたりします。

つまり、基本的に日常で接する食べ物・飲み物はハラールが前提となっているのです。 ブルネイで流通している商品は基本的に「ハラール認証」が義務付けられています。そのハラール認証は、「ブルネイの機関のハラール認証」である必要はなく、マレーシアやフィリピン、オーストラ リアや欧米諸国など、様々な国のハラール認証が許可されています。

中には、下記のように輸入されたハラール認証商品にブルネイ・ハラールの認証を再度、ラベリング されているケースも見られました。
「ブルネイ国内で流通する商品は、消費者が安心するので再度、 ブルネイ・ハラール認証を取得することもある」と宗教省(Ministry of Religious Affairs)が話して いました。

鶏肉は、ほとんど国産(ブルネイ産)であり、内需を満たすほどの生産はできているようです。

ブルネイではソーセージなどの鶏肉加工品の国内流通が多く、そのような商品は価格次第で日本のレ ストランやホテルへのニーズを満たす可能性を十分に持っています。しかし、規制上、日本への畜肉 輸出は現在、できないとのことです。

ブルネイでハラール認証を取得する際、下記のような費用や有効期間が定められています。 ・レストランのハラール認証
取得費用:90 ブルネイドル/3年
・商品のハラール認証

取得費用:50 ブルネイドル/商品
*1ブルネイドル=81.07 円(2018 年 8 月 31 日時点) *認証審査期間:最大 45 日 *認証レストラン・企業には最低2人のムスリムスタッフ雇用が条件

政府が旗を振り、明確な基準・価格・プロセスを公開しているため、事業者は事業を開始するととも にスムーズにハラール認証の取得まで行うことができます。

3.BruHAS について


2018 年 8 月 8 日〜12 日でブルネイのハラール展示会「Brunei Halal Showcase (BruHAS)」 が実施され、125 を超える企業がブルネイ国内外から参加しました。 参加者は個人消費者が多く、プロモーションの場としての展示会という認識の企業が多かったようで す。

海外からは中国、フィリピン、台湾が出展し、盛り上げを見せていました。特にフィリピンはハラー ル輸出に国家予算が割り当てられ、ここ一年で日本、マレーシア、ブルネイでの展示会に出展し、続 いてドバイにも参加をする予定だそうです。

出展企業は、地元の中小企業を中心に、食品(飲食/製造)・化粧品・美容品・ファッション・金融・ 教育等、様々な分野から集まりました。近年、ブルネイでは、若い年代を中心とした中小企業が活発 になってきており、様々な商品展開が国内でされている一方、生産数量や組織体制的にまだ輸出など の海外進出展開には時間がかかり、課題となっています。

また、品質はもちろん、今後、マレーシアやタイなどの商品との価格における競争力を持った商品の 生産が期待されます。

海外企業の場合、ブルネイに工場を所有し、そこで現地スタッフを雇用、工場でのハラール認証を取 得した上で生産、輸出をしているケースも少なくなく、ハラール市場のハブとしての一面も見せ始め ています。

輸入品に頼らず、ブルネイの特産品「ブルーシュリンプ」を活かしたスナックを販売する企業も見ら れ、地のものを使用した商品も販売しています。

Darussalam Enterprise(DARe)は、ブルネイ国内の中小企業のサポートをする国の機関であり、 中小企業のトレーニングやプロモーション等を担います。日本でいう貿易振興機構(JETRO)です。 中小企業の市場参入が活発になってきたブルネイでは機能的な役割を果たしています。

4.ブルネイの観光状況について

次にブルネイの観光について、見てみます。
ブルネイの 2017 年における観光客流入数は 258,955 人であり、昨対比で 18%増という数字になって います。また、流入国別で見てみると下記のようになります。

中国からの流入が多く、エンパイアホテルでゆっくりリラックスし、ゴルフをするといった楽しみ方 が流行しているそうです。
街中を覗いてみると、中国人団体客を乗せたバスがここ数年、急激に増えていることも感じることが できました。
観光省(Ministry of Primary Resources and Tourism)によると現在のメインターゲ ットは中国になっています。

そして、これから韓国のマーケットにも力を入れていっている状況が伺えます。
下の図はロイヤルブルネイ航空のフライトの路線図になります。ご覧のように、日本からブルネイま での直行便がないのに対し、韓国からブルネイまでの直行便があります。*2018 年内に片道 5 時間半の成田-ブルネイの直行便就航が予定されています。

ブルネイは豊かな自然・スキューバダイビング・イスラーム文化・マレー文化等の様々な特徴があり、 それにともなう観光資源も見逃せません。
エコ(グリーン)ツーリズム、イスラミックツーリズム、マリンツーリズム、オイルツーリズム(油田観光)、スポーツツーリズムなど訴求点が非常に多く、
これから日本人が訪れる旅行先としても大 きな可能性を秘めています。

日本では体験することができないゆったりと流れる時間。緑に包まれた癒やしの空間。現地の人の優 しい人柄。安価で美味しいブルネイ・マレー料理。光り輝くモスクに象徴されるイスラーム文化。様々な要素から成り立つブルネイの観光資源は、日本人の求めている余暇の過ごし方に適しているか もしれません。

また、世界のムスリムフレンドリーランキング(GMTI、Crescentrating 社)で、東南アジアのムス リム・マジョリティ国でマレーシアやインドネシアが上位にランクしているのに対し、ブルネイは11位に位置しており、今後更にムスリムの観光客を誘致する余地もあります。

2017 年度のムスリムフレンドリースコアの内訳をマレーシアとインドネシアと比較したところ、「家族向け配慮・コンテンツ」「空港でのサービス」「官民のムスリムツーリズムへの意識」「空路の連結性」といったところの改善が求められます。

5.ブルネイと日本の教育交流について

ブルネイと日本の交流が教育レベルまでに及びます。 ブルネイ・ダルサラーム大学では、毎年、ブルネイの文化体験・英語/マレー語学習などを主の目的 としたプログラムを提供しており、日本からも毎年 10 名程がこのプログラムに参加しています。

今後、より日本との教育交流を深めるにあたり、交換留学の活発化、教育旅行コンテンツ(修学旅行 やサマースクール)の強化、姉妹校提携等といったより深度ある取り組みが期待されます。

参考リンク

Borneo Bulletin “Tourist arrivals to Brunei record 18 per cent surge”
Global Muslim Travel Index (GMTI) 2017 Royal Brunei Airlines Universiti Brunei Darussalam http://www.ubd.edu.bn/
ブルネイ・ダルサラーム国 | 外務省 – Ministry of Foreign Affairs of Japan
国際機関日本アセアンセンター
スポンサー :国際機関日本アセアンセンター