フードダイバーシティ株式会社の横山です。

MIHAS(マレーシア国際ハラール展示会)では、毎年数多くの国際会議やイベントが併催されます。
今回ご紹介するHalal in Travel もその一つ。


シンガポールのクレセントレーティング社が主催するこの会議は、
年間を通じて各国で開催されており、MIHASでは昨年に続く二度目の開催となりました。

Halal in Travel MIHAS 2019
https://www.crescentrating.com/halal-in-travel-conferences/mihas-2019.html

Don’t Over Halalization

私は2017年のシンガポールでの会議に続き、今回二度目の登壇となりました。

パネルをご一緒したのはフランスの著名なビジネススクールの教授と
ハラール産業で様々なビジネスを手がけているニューヨーク在住のビジネスオーナーです。

二人からは欧州と米国でのハラール産業について、言及がありました。

世界中で人口が増え、中間所得層も明らかに増えているため、ムスリムの存在感は増している。
そこにデジタルデバイスをネイティヴに使いこなす世代のムスリムが、国境を超えて交流している。
それまでの世代とは異なる価値観で行動する者が多いが、決して宗教を軽視しているわけではない。
だからといって、ハラールやシャリアを押し出しすぎてはいけない。
なぜなら彼らはムスリムだけで旅をしているのではないし、ノンムスリムと同じ体験を望んでいるからだ。
従って事業者は、ムスリムに伝わるように、ムスリムフレンドリーのオプションがあるというだけで十分だ。

日本の現状と今後について

2020を前に注目される日本について、私が期待されているところでしたので(当日朝にテーマを示されたのですが)、NTT Docomo社と当社アプリとの取り組みをビデオで紹介し、日本でなぜハラール認証店が増えず、情報開示対応店が増えているのかを解説しました。

-商品判定システム
https://www.youtube.com/watch?v=78fsdhHb8CQ&t=14s

まず残念ながら、日本の認証機関をめぐる問題は複雑になり過ぎた。
中には100,000米ドル(約1,000万円)以上投資しないとムスリムは来てくれないと考えている事業者さえいる。
そこで当社は申し訳ないが「ハラールかどうかはムスリムに判断してもらう」というスタンスを提唱した。認証取得の前にできることからやるというものだ。
NTT Docomo社の商品判定システムは、その情報開示メソッドに沿ったもので、今後はベジ、ヴィーガン、アレルギーへの展開も見据えている。
日本は今2020ばかり注目されているが、今後は移住者、外国人生活者が増える。だからユニークなテクノロジーは日本へ進出するチャンスだ。

Muslim Friendly Japan 2.0

会議はムスリム旅行者の急激なデジタル志向の流れを受け、世界はHalal Travel 2.0ともいうべき段階に入っていると結論づけました。
そしてパネルディスカッションといくつかの質問に答えた後、最後に私からのコメントを求められました。

5,6年前、ムスリムにとって日本は、将来の旅先だった。
しかし今、ムスリムにとって日本は、今行く旅先になった。
Now Everyone Can Fly!!(エアアジアのキャッチコピー)

この日も参加者をニヤッと笑わせて終えることができました。