注目を集める代替食品市場

フードダイバーシティ株式会社の山崎です。
ここ数ヶ月で「代替食品」や「植物性食品」に関するニュースを見かける機会が増えてきたように感じます。「市場ニーズが伸びてきているのは分かるが、いまひとつ実態が掴めない」という方向けに、市場の流れを読み解く上で重要な視点を3つに分けて解説します。

①”本物”との比較で勝負するマーケティング手法

代替肉市場を席巻するビヨンドミートやインポッシブルバーガーなどが頻繁に使うグラフです。タンパク質やコレステロールなどの栄養素を比較し、植物性食品のメリットを訴求するマーケティング手法です。消費者にダイレクトに訴求できるというメリットがある反面懸念もあります。過度に肉との比較を打ち出してしまうと、消費者に「本物vs偽物」の視点を植えつけてしまい「代替肉 ”にしては” 美味しいね」という思考に誘導してしまう可能性があります。このように訴求してしまうと、その商品が美味しい・美味しくないではなく「肉と比べて美味しいかどうか」という思考に引っ張られてしまいがちです。ここのバランスに正解はありませんが、マーケティング戦略を考える際は十分に注意すべき点です。

②増える”日常食”への参入

ニュースでは「代替食品市場=代替”肉”、植物”肉”」と整理してしまうケースが多いですが、本来は乳製品や卵など、カテゴリは多岐にわたるはず。

また、海外では外食だけでなく「内食」においても代替食品の選択肢が普及してきており、日常食への参入が相次いでいます。

今後日本においてもレストランへの卸販売だけでなく、小売市場まで意識した戦略設計が重要になってくるでしょう。

③日本は”健康訴求”が狙い目か

NHK WORLDによると2018年時点で英国の植物性食品市場は約600億円にものぼり、腸内環境など「健康志向」の高まりが背景の一つとして考えられているようです。

番組内では、「発酵食品ニーズ」の高まりを受け、味噌や納豆などの日本食品が紹介されていました。先日Diamondでも取り上げられていましたが、アメリカでも納豆のニーズが高まっているようです。

見た目もおしゃれで、ビーガンにも最適!納豆とキムチがアメリカで人気が高まっている事情
https://diamond-rm.net/overseas/45924/

「肉々しさ」「本物そっくり」という戦い方もありますが、海外ブランドのプロダクト開発はかなり進んでいる印象です。日本は長寿のイメージもあり、「健康」という切り口は日本が有利に戦えるポイントかもしれませんね。