台湾ベジタリアン市場と対策について

こんにちは。プラントベースジャパン株式会社の山崎です(フードダイバーシティ株式会社関連会社)。弊社はプラントベース業界でプロモーションや商品プロデュース等を支援させて頂いております。

昨今メディアでも「ベジタリアン、ヴィーガン、代替肉」をテーマにした特集を見かける機会が増えてきました。飲食・ホテル業界の方であれば「ベジタリアン対応」に関する依頼を受けたことがある方も多いのではないでしょうか。

今回はベジタリアンの中でも「台湾」に焦点を当てます。

訪日ベジタリアン市場は600億円、その4割を占める台湾

市場規模を知る

観光庁によると、世界には6.3億人のベジタリアンが存在し、年々増加傾向にあると言われています。

インバウンドの視点で見てみると、2018年時点で市場規模は450〜600億円規模となり、全訪日旅行者のうちベジタリアンが4.6〜6.1%を占めました。

驚くべきは国別比率です。台湾が39%と約4割を占めています。それもそのはず、台湾人の14%がベジタリアンな上、かつ親日家が多いため、「訪日ベジタリアン市場」で台湾人がマジョリティーを占めるのは必然です。

「え?本当に?うちの地域には来てないよ?」

そう思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、それは一重に彼らが声を上げていないから気づいていないだけなのかもしれません。(下記、訪日台湾人ベジタリアン500名が回答)

現状、約80%の人が自国から食事を持って来ています。これではニーズが顕在化してこなかったのも頷けます。

背景を知る

台湾のベジタリアンは大きく分けると下記の4つの背景を持った人がいます。

① 健康志向
② 動物愛護
③ 環境保護
④ 宗教
*それぞれ重なる部分もあります。

日本や欧米諸国ですと、①〜③の背景をお持ちの方が多い印象ですが、台湾の場合は、④の宗教背景の方が多数を占めます。これはほとんどの場合、仏教を指しています。欧米のベジタリアンと台湾ベジタリアンとでは食べられるものにも違いがあります。下記ご参照ください。

注意点を知る

仏教徒にベジタリアンが多い背景には、「不殺生戒」という教えがあります。また、飲酒も禁じられているため、お酒を飲まない方がほとんどです。加えて、五葷と呼ばれる「臭いや成分がきつい野菜」を食べない人がほとんどです。これらは、陰性の気が強いのが特徴で、五臓に負担をかけてしまうだけでなく、精神にも影響を及ぼすため、食べない方が多いそうです。*五葷:ねぎ、にんにく、にら、らっきょう、あさつき

ニーズを知る

「ベジタリアン=サラダではない」というのがポイントです。台湾のベジタリアンレストランの様子です。台湾ではきのこやこんにゃくを使った「モドキ商品」が人気です(ベジタリアン対応のベーコンや刺身などバリエーションは豊富です)。日本では「ベジタリアン→ベジタブル→サラダ」というイメージが先行していますが、実はそうではありません。

ベジタリアン対応のベーコン

ベジタリアン対応の刺身

台湾ベジタリアン市場の現場について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

メリットを知る

ベジタリアン対応することで既存のお客様に加えて、訪日ベジタリアンのお客様が純増するというメリットがあります。間違いではないのですが、もう一つ重要な観点が抜け落ちています。ベジタリアン対策は実際は、ベジタリアンだけでなく、「ノンベジタリアン」の集客拡大にもつながります。むしろここのインパクトが一番大きいです。台湾を例にして説明します。現在台湾のベジタリアン比率は14%と言われています。すなわち、台湾人の7人に1人がベジタリアンということになり、家族や友達グループで訪日する場合、ベジタリアンの方が混ざっている可能性が非常に高いです。この場合、ベジタリアン対応の可否により、そのお店が選ばれるかどうかが決まるといっても過言ではありません。従いまして、ベジタリアン対応はベジタリアンだけでなく、ノンベジタリアンもあわせて集客することができます。

台湾ベジタリアン受入対策

台湾ベジタリアン対策として重要な点は「受入環境と作ること」、「情報発信をすること」の2点です。弊社が過去に取り組んできた事例も織り交ぜながら説明します。

受入環境作り

セミナーを開催し、地域の飲食店、ホテル、食品メーカー向けに「市況説明(なぜ取り組む必要があるのか)」「ノウハウ解説(どのように対応すれば良いのか)」を説明するところがファーストステップです。その中で興味を持って頂いた事業者様向けに個別でハンズオンのコンサルティングを行います。

沖縄ベジタリアン対応セミナーの様子1

沖縄ベジタリアン対応セミナーの様子2

(事例)

多様な食対応レベルアップセミナー開催@沖縄 開催レポート
アフターコロナのインバウンドを考える「加速する食の多様性 〜観光事業者が今やるべきこと〜」
その他実績(累計500回以上)

地域内で対応店舗が出揃った段階でマップの作成を行います。エリアとしてベジタリアン、ヴィーガンフレンドリーであることをPRするのがポイントです。

関西版ベジタリアンガイドブック

(事例)
関西ベジガイドブック、台湾・香港等で販売開始!
関西ベジガイドブック、クラウドファンディング成功!

こうした動きは東京や関西だけではありません。沖縄や東北でもベジタリアンマップが発刊されるなど、全国的に広がりつつあります。

沖縄ベジタリアンマップはこちら
東北ベジタリアンマップはこちら

全国各地での作成を期待する声も寄せられています。

情報発信

発信する準備が整ったらSNSやWEBサイトで発信し、情報拡散を狙います。

東北のベジタリアンレストランを取材した様子

沖縄のベジタリアンレストランを取材した様子

台湾ベジタリアンの受入対策をご検討中の方へ

プラントベースジャパン株式会社では台湾ベジタリアンの受入対策としてセミナー開催、マップ制作、情報発信を一気通貫でサポートさせて頂いております。

情報発信に関するご参考資料は下記からダウンロードください。
訪日ベジタリアン向けプロモーション

「アフターコロナに向けて今のうちから準備をしたい」とお考えの方は是非ともお問い合わせください。

著者

山崎寛斗(やまざき・ひろと)
プラントベースジャパン株式会社 代表
「プラントベースで日本と世界を繋ぐ」をテーマに事業を展開。 海外のプラントベース企業の日本誘致や訪日ベジタリアン向けメディアなどの事業を手掛ける。 著:東京食素!美味蔬食餐廳47選、關西食素!美味蔬食餐廳55選、東京および関西のベジタリアンガイドブックを台湾で販売中。
https://www.plantbased-japan.com/

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