ミシュラン一つ星取得のイタリアンレストランFARO（銀座）のヴィーガンコースレポート

This post is also available in: English

日本を代表するイタリアンレストランが提供する最高級ヴィーガンコースとは？

1872年東京銀座で創業し、銀座のシンボルとして100年以上輝きを放ってきた資生堂。資生堂が経営・資生堂パーラーが運営するイノベーティブイタリアンレストラン「FARO（ファロ）」は東京銀座資生堂ビル10Fにあります。「FARO」はイタリア語で灯台、東京から世界に光を放つという意味を込めて名前が付けられており、「ミシュランガイド東京2021」においても一つ星を取得されています。

資生堂は1872年、日本初の洋風調剤薬局として東京・銀座に創業しました。創業者の福原有信は、1900年のパリ万博視察の帰路に立ち寄った米国のドラッグストアを参考に、1902年、資生堂薬局の一角に日本初となるソーダファウンテンを開設し、ソーダ水や当時まだ珍しかったアイスクリームの製造と販売を行い銀座名物となりました。1928年には本格的な西洋料理を提供するレストランとして開業。西洋料理の草分け的存在として、また銀座のシンボルとして多くのお客さまに新しい価値を提案し、資生堂が掲げる、BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD（ビューティーイノベーションでよりよい世界を）の実現に向け、食の分野で取り組んでいます。「ファロ資生堂」は、2001年竣工の現東京銀座資生堂ビルに、イタリアンレストランとしてオープンしました。2018年10月からは能田耕太郎を新たなエグゼクティブシェフに迎え、新生『ファロ』として生まれ変わりました。※PRTimesより抜粋

同店は2018年10月に生まれ変わったときから、イタリア料理の最前線を走り、イタリアでもミシュランを獲得してきた能田シェフ考案のもと「ヴィーガンメニュー」の提供を開始致しました。日本全国の生産者と強固な関係性を築き、器やカトラリーに関しても伝統作家や職人との対話を重ね、現代イタリア料理が備える伝統と先進性に、日本の素晴らしい食文化を重ねあわせた料理が「ヴィーガンメニュー」でも食べられるということで瞬く間に評判となりました。その評判は海を越え、日本だけでなく世界中からベジタリアン及びヴィーガンのお客様が来店するようになり、現在は全注文の約3割ほどがヴィーガンメニューとのことです。

本記事ではそのヴィーガンコースをご紹介したいと思います。
※尚、季節や食材の入荷状況によって、コースメニューの構成は変わります。

FARO  内観（灯台が照らす海の風景をイメージ）

メニューはこちら

アミューズ　ブーシュ

摘果メロンのカルパッチョと冷たいエルダーフラワー

グリーンアスパラガスのパンナコッタ

じゃがいものスパゲッティ

黒のリゾット　粟豆やオリーブと黒麹味噌の深み

茄子のムサカ　※ムサカの起源はアラビア語で「冷やしたもの」

ヴィーガンチーズ（右からプレーン、焼き、あんぽ柿入り、パプリカ入り）

ノートアーモンドのアイスクリームと香り豊かなバラと苺

花のタルト

前田祐二副調理長より

3年前にベジタリアン・ヴィーガンに関する知識を基礎からしっかりと学び、お客様からの声を聞いたり、日々調理場でも様々な意見を出し合いながらこれまでヴィーガンメニューに取り組んで参りました。当店のヴィーガンメニューはヴィーガンのお客様だけではなく、すべてのお客様にご満足頂ける料理を心がけており、これまでも全国の生産者様と密に連携を取りながら食材を厳選し、その食材本来のおいしさを活かしながらも、更なる可能性を常に求めて日々研究を行っております。最初は様々な課題にも直面しましたが、我々は課題に向き合っていくうちに、ヴィーガンを「制限」と捉えず「新しい表現」と捉えるようになりました。そうすることでアイディアが無限に広がっていくことを実感し、課題に当たる前には想像もしていなかった様々な解決策に辿り着くことができました。今では課題が難しければ難しいほど、新しい発見に出会える楽しみを持ちながら日々調理に取り組んでいます。今後はヴィーガンメニューを通じて次世代への食育にも繋げていきたいと考えております。

感想として

食材本来の力を活かしながら、繊細且つ大胆な調理と、斬新な発想、そして素晴らしい器で表現した一つ一つの作品は味、見た目の美しさ、食べ応え全てにおいて圧巻でした。動物性食材がなくても味の幅は非常に広く、味の深さも底が全く見えずで、シェフの圧倒的なスキルと引き出しの多さにひたすら感動できるコースです。もちろんベジタリアン・ヴィーガン以外のお客様にも満足度は非常に高いと感じます。日本を代表する東京銀座で、日本を代表するイタリアンレストランが作るヴィーガンコース、大切な方との上質な時間のために最適な選択になることは間違いありません（文責：フードダイバーシティ株式会社）。