無理のないオペレーションにならないと継続は難しい

ヴィーガンやハラールなど、食の多様性への対応を始めた店舗で、よく見られる状況があります。

「ヴィーガンに詳しい料理人がいる」
「ハラール対応ができるスタッフがいる」
「外国人のお客様が来たら、店長を呼ぶ」

一見すると、対応できているように見えます。

しかし、それは本当に「店舗として対応できている」といえるのでしょうか。

See Also

「知る」から「選ばれる」までフードダイバーシティ株式会社が提供する3つのセミナー

「あの人がいれば対応できる」は、対応できないのと同じ

特定のスタッフだけが食材や調味料を理解し、その人の判断によって料理を提供している。

この状態では、そのスタッフが休んだ瞬間に対応できなくなります。異動や退職があれば、これまで蓄積した知識も店舗から失われます。お客様から同じ質問をされても、スタッフによって回答が変わる。予約時には「対応できます」と伝えたのに、当日のスタッフには情報が共有されていない。

こうした状態は、店舗が対応しているのではなく、知識のある個人がその都度カバーしているだけです。「あの人がいれば対応できる」は、裏を返せば「あの人がいなければ対応できない」ということです。

個人の対応力任せの対応は継続しない

フードダイバーシティ株式会社がこれまで多くの飲食店や宿泊施設を見てきた中で、特定の個人の知識や努力だけに頼りながら、対応を継続できている店舗はありませんでした。

最初は、意欲のある料理人やスタッフが頑張ります。自分で原材料を調べ、お客様へ説明し、厨房へ指示を出す。しかし、対応件数が増えれば、その人に負担が集中します。

やがて、その人がいない日は予約を受けなくなる。メニューから対応表記が消える。そして、担当者の異動や退職とともに、取り組み自体が終わる。個人の善意と頑張りを前提にした対応は、仕組みではありません。

必要なのは、誰でも同じ判断ができる状態

継続するためには、個人が持つ知識を店舗のオペレーションへ落とし込む必要があります。

例えば、次のような整備です。

  • 使用できる食材と調味料を整理する
  • 対応可能なメニューと変更条件を決める
  • 予約時に確認する項目を統一する
  • ホールから厨房への伝達方法を決める
  • 調理器具や揚げ油の共用状況を説明できるようにする
  • 誤提供を防ぐ確認手順を作る
  • できることと、できないことを明文化する

重要なのは、すべてに対応することではありません。

「この条件までは対応できる」「ここから先は対応できない」と店舗として決め、誰が勤務していても同じ説明ができる状態を作ることです。

マニュアルを作るだけでは足りない

手順書を作って棚に置けば、オペレーションへ落とし込めたことになるわけではありません。

実際の予約受付、注文、調理、配膳まで通して確認し、現場で無理なく運用できるかを検証する必要があります。

  • 忙しい時間帯でも確認できるのか
  • アルバイトスタッフでも判断できるのか
  • 厨房への伝達方法は分かりやすいか
  • 担当者が休んでも同じ対応ができるのか

ここまで確認して、初めて店舗の仕組みになります。複雑で覚えられないルールや、一部のスタッフにしか実行できない手順では、結局また個人の対応力に戻ってしまいます。

個人の知識を、店舗の仕組みとして残す

個人の対応力は、一時的にお客様を救います。店舗のオペレーションは、継続的にお客様を受け入れます。

フードダイバーシティ対応が続くかどうかを分けるのは、知識のあるスタッフがいるかではありません。その知識を、店舗の仕組みとして残せているかどうかです。

フードダイバーシティ株式会社では、ヴィーガン、ハラール、ベジタリアン、グルテンフリー、アレルギーなどへの対応を、特定の個人に依存せず、店舗や施設の仕組みとして運用するための研修・伴走支援を承っております。

食材・調味料の確認やメニュー開発だけでなく、予約受付、厨房への伝達、調理、配膳、お客様への説明まで、実際の現場に合わせてオペレーションへ落とし込みます。「担当者がいなければ対応できない」状態から、「誰が勤務していても、店舗として同じ対応ができる」状態へ。

継続可能なフードダイバーシティ対応をご検討の際は、ぜひご相談ください。