次の国際大会に向けた対応がカギに

2025年に東京で開催された世界陸上競技選手権大会では、競技そのものの熱戦に加え、食事面での課題が一部選手から指摘されました。

ドイツ代表で走幅跳び銀メダリストのマライカ・ミハンボ選手はベジタリアンですが、「ベジタリアン向けのメニューがほとんど提供されなかったため、自らスーパーで食材を調達した」とコメント。競技期間中に十分な食事を確保するのが難しかったと語りました。

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もっとも、今回の件については大会本部やホテル側から公式な声明は出ていないため、現時点ではあくまで当事者の発言に基づく報道にとどまっています。ただ、スポーツの国際大会にはベジタリアンやヴィーガンのほか、ハラール、コーシャ、グルテンフリー、アレルギー対応など、実に多様な食の背景を持つ選手や関係者が参加します。選手にとって食事は単なる栄養補給ではなく、パフォーマンスを支える大切な要素であることから、ホスト国としてこうした多様なニーズに応えられる体制を整えることは、今後ますます重要になるといえます。

来年2026年には、第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)が予定されています。参加国の5割以上がイスラム圏からの参加という状況になるので、今回の経験を踏まえ食の多様性にどのように取り組むかが注目されます。

  • 事前に参加国・選手の食習慣を細かく把握する仕組み

  • 専門家と連携して、それぞれを対応する取り組み

  • 対応状況を選手しっかりと伝える取り組み

フードダイバーシティ対応は「おもてなし」の一環であると同時に、選手の実力発揮を支える基盤です。今回の学びを次の大会につなげることで、日本の国際イベントがさらに魅力的で安心できるものとなることが期待されます。