島根県内の食品関係企業向けセミナー
2025年8月7日、ジェトロ島根が主催でハラール入門セミナー「ハラールの基礎とイスラーム食品市場での戦略」が出雲市民会館にて開催され、島根県内の食品関連会社が約20名ほど参加しました。
See Also
日本からマレーシアへの食品輸出について
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プログラム
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「ハラールと食品輸出」 – ジェトロ農林水産食品部 市場開拓課 調査チーム:熊谷 佐和子氏(30分)
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「世界の食市場を読み解く マーケティングといち手段としてのハラール認証活用」 – フードダイバーシティ株式会社 代表取締役 守護 彰浩氏(30分)
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「マレーシア市場における中小食品企業戦略」 – 広島市立大学 准教授 ヌルハイザル・アザム アリフ氏(30分)
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質疑応答
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当日の様子
マレーシア市場でどのように商品を販売するか
まず、ジェトロ農林水産食品部 市場開拓課 調査チームの熊谷佐和子氏から、ハラールに関する基礎情報が説明された。ハラールの定義や対象となる食品・飲料の範囲、世界のイスラーム人口と市場規模について数値を交えて解説。また、食品輸出におけるハラール対応の重要性や、輸出時に必要となる認証・規格の概要も紹介された。
続いて弊社代表の守護からは
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ハラール認証の本質を見極める重要性について解説。
ハラール認証を取得すれば売れるというのは幻想の話。輸出にウルトラCはないので、地に足をつけたマーケティングが重要。 -
インバウンド市場を活用したテストマーケティングの方法を提示。
国内での外国人観光客対応により、製品やサービスの市場適応性を検証可能であると説明。 -
買う側の立場や知識・イメージの理解の必要性を指摘。
消費者が持つ情報量や認識の差を踏まえた対応が重要であると述べた。 - マレーシアに相互認証のある日本の各ハラール認証機関の特性、認証取得費用の傾向
どのハラール認証機関も認証取得費用が公表されておらず、費用の内訳や金額が分かりにくいケースが多い。各ハラール認証機関の特性を説明し、効果的な取得方法について説明。


最後に、広島市立大学 准教授のヌルハイザル・アザム・アリフ氏が、マレーシア市場の特性について説明した。多民族・多宗教国家であるマレーシアでは、ハラール製品がムスリム以外にも広く受け入れられていることを紹介。マレーシアで成功している企業の特徴として、現地文化や宗教観への適合、品質・安全性の確保、信頼構築を目的としたブランド戦略などを挙げた。また、中小企業が参入する際の具体的な事例と留意点についても説明が行われた。
終了後は質問も多く飛び交い、2時間のセミナーは終了致しました。参加者からは「今回のセミナーでマレーシア市場が具体的にイメージすることができました。」「”ハラール認証=大谷翔平選手のバット”は分かりやすかった。確かにそれだけじゃヒットは打てない。」「ハラールを意識した商品づくりを考えていこうと思った。」などの声が上がりました。
ジェトロ島根としては本セミナーを皮切りに、今後もマレーシアをはじめとするイスラム圏への食品輸出事業を推進していく予定とのことです。