「ヴィーガン対応可能」と言われたが、当日はサラダだけだった?
国際会議や企業インセンティブツアー、学会などのMICE(MICEとは?)では、参加者の国籍や宗教、食習慣が多様化しています。
そのため、主催者が会場や宿泊施設、飲食店を選ぶ際には、「料理がおいしいこと」だけではなく、「誰もが安心して食事を楽しめる環境が整っていること」が重要な判断基準となっています。
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「一人だけ食べられない」がイベント全体の評価につながる
MICEでは数百人、ときには数千人規模の参加者が集まります。
その中には、
- ヴィーガン
- ベジタリアン
- イスラム教徒
- グルテンフリー対応が必要な方
- 様々なアレルギー対応が必要な方
など、多様な食のニーズを持つ参加者が必ず含まれています。主催者にとって重要なのは、全員が安心して同じ時間を楽しめることです。
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「対応しています」の先にある落とし穴
MICE主催者は、事前にホテルや飲食店へ食事制限への対応可否を確認します。
- 「ヴィーガン対応可能」と案内されていたにもかかわらず、当日提供された料理がサラダだけだった――。
- 「グルテンフリー対応可能」と聞いていたものの、実際に提供されたのは白米のおにぎりだけだった――。
- 「ハラール対応可能」と案内されていたが、シーフードだけだった――。
このようなケースは、残念ながら珍しいことではありません。もちろん、サラダやおにぎりやシーフード自体が悪いわけではありません。
問題なのは、他の参加者には地域の特色を活かした料理が提供される一方で、食事制限のある参加者だけが「食べられるものを用意しただけ」という内容になってしまうことです。結果として参加者は、「自分だけ特別扱いされている」「地域の食文化を体験できなかった」と感じるかもしれません。
そして、その場で最も困るのは、料理を提供した施設ではありません。参加者から見れば、食事を手配したMICE主催者が「適切な会場を選定していなかった」と受け止められる可能性があります。
つまり、恥をかくのはMICE主催者です。
だからこそ、MICE主催者は「対応できますか」という言葉だけでは安心できません。「どのような料理を提供するのか」「通常メニューと同じように満足してもらえる内容なのか」まで確認しています。
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主催者が確認しているポイント
実際に主催者が重視しているのは、次のような点です。
- 食事制限への対応実績があるか
- 事前相談が可能か
- 原材料を説明できるか
- 英語などでコミュニケーションが取れるか
- 適切なメニュー表示がされているか
- 大人数でも安定して提供できるか
- 当日の運営体制が整っているか
「対応できます」という一言ではなく、実際の運用まで含めて説明できることが求められています。
情報発信も選定基準
近年は、主催者自身もAI検索やGoogle Maps、公式ホームページなどを活用して開催地や施設を調査しています。
食の多様性に対応していても、
- ホームページに掲載されていない
- 英語で情報がない
- 対応内容が分からない
- 実際の料理写真がない
という状態では、選定候補から外れてしまう可能性があります。対応していることと、それが伝わっていることは別の課題です。
地域全体で受け入れられる体制が選ばれる
MICEでは、ホテルだけで滞在が完結することはほとんどありません。ランチ、ディナー、懇親会、エクスカーション、自由食など、地域のさまざまな飲食店が利用されます。
そのため、ホテルだけが対応していても十分とは言えません。自治体、DMO、ホテル、飲食店が連携し、地域全体で多様な食のニーズに応えられる体制を整えることが、MICE誘致の競争力につながります。
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おわりに
MICE主催者が求めているのは、「対応可能」という言葉ではありません。参加者一人ひとりが、他の参加者と同じように地域の食を楽しみ、満足して帰ることです。
その体験がイベント全体の評価となり、開催地の評価となり、次回の開催地選定にもつながります。これからのMICEでは、「食事に対応すること」がゴールではありません。
誰もが満足できる食体験を提供できること。
それこそが、飲食店やホテル、そして地域全体に求められる新たな価値になってきます。