責任の所在が曖昧なまま進行する「食の丸投げ問題」
MICE(Meeting, Incentive, Convention, Exhibition)現場において、ヴィーガン、ハラール、アレルギーなど、多様な食に関するトラブルが後を絶ちません。その多くは、主催者から運営会社、さらに会場となるホテルなどの提供側へと「丸投げ」される構造に起因しています。
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どこまで対応すべき?が曖昧なまま
まず、MICE主催者は食事の対応をイベント運営会社に一任するケースが大半です。運営会社は「プロの会場に任せておけば大丈夫」と、そのままホテルやケータリング先に丸投げすることが一般的です。
しかし、実際に対応を迫られるホテルや飲食提供側は、「このNGリストはアレルギーによるものか?宗教的禁忌か?ただの好き嫌いなのか?」という肝心な情報が不足したまま準備を進めることになります。当然ながら、アレルギーと宗教・主義では必要な対応レベルが全く異なり、調理や仕入れの段階から異なるアプローチが必要です。
「食の専門家がいない」という現実
さらに問題なのは、主催者も運営会社も食の専門家ではないという点です。「ベジタリアンとヴィーガンの違いは?」「グルテンフリーはどのレベル?アレルギー?」といった質問に、まともに答えられるケースは少なく、結果的に提供側がリスクを抱えたまま、不明確な基準で調理・サービスを行わざるを得ない状況に追い込まれます。
そして、トラブルが発生した場合には「提供側の対応ミス」とされてしまう――そんな構図が繰り返されています。

よく起きる構図
本来必要なのは、食のプロフェッショナルによる介在
このような事態を避けるには、主催者・運営会社・会場すべての関係者が、食の多様性に関する最低限の知識と共通理解を持つことが必要です。加えて、初期の段階から専門家が関与し、対応レベルのすり合わせや食材・調理・提供オペレーションの整備を行う体制づくりが求められます。
フードダイバーシティ株式会社では、こうしたMICE現場における支援も承っております。
・多様なニーズの分類と整理
・現場ごとの対応基準の設計
・関係者に向けた研修
など、実際の「食の現場」を支える立場として、豊富なノウハウでサポートいたします。
MICEにおける「食」はすべてのゲストをつなぐ大切な要素。だからこそ、丸投げではなく、責任を持った対応と設計が求められています。