ムスリム旅行者の利便性が向上

ムスリム向けグルメ情報アプリ「Halal Gourmet Japan(ハラールグルメジャパン)」が、これまでのレストラン検索機能に加え、新たに全国250か所以上の礼拝所を検索できる機能を搭載した。

開発・運営は株式会社ムービングスクワッド(東京都)。同社は「食と礼拝の両面から、ムスリム旅行者がより安心して日本を楽しめる環境を整えたい」としている。

「食」と「祈り」をひとつのアプリで

Halal Gourmet Japan x Japan Masjid Finder

これまでムスリム旅行者は、ハラール対応の飲食店を探す際と礼拝場所を探す際で、別々のサイトやアプリを利用する必要があった。今回のアップデートにより、700店を超えるレストラン情報と250以上の礼拝所情報を一括検索できるようになり、旅の計画が格段に立てやすくなる。

アプリでは現在地周辺のモスクや礼拝スペース付き店舗を地図上に表示でき、英語・アラビア語・マレー語・インドネシア語など9言語に対応。ユーザーは母語で直感的に操作できる点も大きな魅力だ。

背景にある「礼拝場所不足」という課題

イスラム教徒にとって、1日5回の礼拝(サラート)は欠かせない。
しかし日本国内では、モスクや礼拝スペースの数が限られており、観光地や商業施設での礼拝場所確保に苦労するケースが多い。

特に、礼拝時間は太陽の動きに基づいて厳密に決められているため、旅行中の時間管理にも影響を及ぼしていた。
同アプリの新機能は、こうした課題をテクノロジーで補うものといえる。

ムスリムフレンドリー観光の推進へ

日本のインバウンド市場では、ムスリム旅行者の受け入れ体制整備が注目されている。
近年では飲食・宿泊・観光業界を中心に「ハラール対応」や「ムスリムフレンドリー」を掲げる動きが広がりつつあるが、情報発信の分散が課題だった。

「Halal Gourmet Japan」は、食、買い物、礼拝、宿泊など、ムスリム旅行者に必要な要素を一元的に提供するプラットフォームを目指しており、今後も関連サービスの拡充を計画しているという。

「旅の安心」を支えるデジタルツールに

ムスリム旅行者にとって、“食べられる場所”と“祈れる場所”を探せることは、安心して旅を楽しむための基本条件。
観光立国を掲げる日本にとって、こうしたサービスは単なる便利アプリではなく、「文化の多様性に寄り添うインフラ」としての役割を担い始めている。

ハラールグルメ情報から礼拝所検索までをカバーする同サービスは、ムスリム旅行者の「次の日本旅行」をより自由で快適なものにしてくれそうだ。

🔗 公式サイト:https://www.halalgourmet.jp/ja