代替肉を使用する航空会社の取り組みに注目

2022年3月1日(火)より、全日本空輸株式会社(以下、ANAとする)が、日本発便の国際線ビジネスクラスの機内食において、代替肉を使用したヘルシーかつ丼の提供を開始いたしました。日本の航空会社が始めた先進的な取り組みに、早速フードダイバーシティ株式会社が取材をしてきました。

※本商品については「かつお出汁」を使用しているので、ベジタリアン・ヴィーガンに該当致しません。
※本商品については「みりん」「料理酒」を使用しているので、ハラールに該当致しません。

代替肉「Deats」を使用したかつ丼

今回の取り組みの経緯を教えてください

ANAは従来より、すべてのお客様に多くの選択肢からお選びいただけるよう、食のユニバーサル化を推進しています。

2021年10月には第1弾として、高まる健康志向や多様な食習慣のニーズにお応えすべく、特別機内食のうち低糖質、低脂肪、低カロリーと低塩のお食事の4種類で、初めてとなる「THE CONNOISSEURS(ザ・コノシュアーズ)」コラボレーションメニューをお楽しみいただけるようになりました。

今回の取り組みはこれに続く第2弾としての取り組みになり、今回ビジネスクラスの新たな軽食メニューにて、おからとこんにゃく由来のDeatsを使用した肉不使用、ヘルシーなかつ丼をリリースいたしました。

かつ丼の使用原材料を教えてください

具材:Deatsカツ(但し、ANA専用の特別仕様)、玉ねぎ、卵、みつば、ざらめ、きび砂糖、しょうゆ、みりん、料理酒、かつお出汁など
米:通常の米とこんにゃく米を1対1で配合

Deatsは、ディーツフードプランニング株式会社が開発した日本の伝統食材である大豆おから/こんにゃくを原材料とした新食材であり、Deatsを使用した機内食メニューを提供するのは世界初です。植物性代替食品の主流である大豆ミートと比較し、繊細な味を表現可能であり、ヘルシーさに加えて高品質な味わいを兼ね備えること、また様々なメニューに展開可能なことからも注目し、「THE CONNOISSEURS」メンバーであるANA和食料理長の森 誠剛のもと、かつ丼にアレンジしました。

今回のメニューを作るにあたってのこだわりを教えてください

とにかく肉々しい食感にこだわり、半年以上に渡って幾度となく試行錯誤を繰り返していき、味も含めて通常のお肉と変わらないクオリティに仕上げることができました。また代替肉「Deats」についても、かつの厚さや大きさ、パン粉の付け方など、メーカーの開発担当者と入念に打ち合わせを重ねてきて、今回理想のものに辿り着きました(森誠剛和食料理長)。

開発秘話を語る森誠剛和食料理長

通常のかつ丼と比較してカロリーなどはどうなのでしょうか

カロリーで40%オフ、脂質で50%オフ、食物繊維で5倍となっています(ANA調べ)。
このように今回の商品はヘルシーさが一番のアピールポイントになります。

提供時期、対象クラス・路線を教えてください

2022年3月1日(火)~(通年予定) ※切り替え時期は変更になる可能性あり
国際線ビジネスクラス 日本発北米、ヨーロッパ、インド、オセアニア路線 ※ホノルル、ウラジオストクを除く

実際に食したお客様の声を教えてください

・代替肉とか関係なく、味として非常に美味しかった
・代替肉と説明はされましたが、美味しい普通のカツ丼として全く違和感なく食べられました
・長時間のフライトで体を動かさない機内だとヘルシーな食事はとても選びやすい
・「おから」や「こんにゃく」は外国人の方にヘルシーなイメージがすでにあるので、キャッチーで選びやすいです

などなど、好評の声が多く、非常にいいスタートが切れたという認識でおります。

今後の展開について

春以降、羽田空港と成田空港の国際線ANA SUITE LOUNGE、機内、ラウンジ等へ幅広くメニューを展開してまいります。
※随時プレスリリースで発表していく予定

実食してみた

結論から申しますと、代替肉だという意識を明確に持ちながら食べてみても「ほとんど分からない」が率直な感想です。

まず香りは普通のかつ丼と全く同じく、甘く芳醇な香りが食欲をそそります。そしてかつを一口食べてみるも、食感は通常のかつと何一つ変わらないことに驚愕します。そこからよくかつを味わってみても卵と玉ねぎとタレのハーモニーがうまく重なり合い、完全に通常のかつ丼を食べている感覚になっていきます。そこから舌の感覚を研ぎ澄ませて、諸々と違いを探しながら食べてみても、ほんの少しだけの違いを感じるレベルです。

また、かつとその他食材に味がしっかりとついているため、米の半分がこんにゃくなはずのに、こちらも全くと言っていいほど分からないレベルで、味と食べ応えのクオリティがしっかりと担保されています。

さらに口残りもとてもよく、味は普通にかつ丼なのにも関わらず、かつ丼を食べたとは思えないくらいのさっぱりした感じで、これは機内でとても喜ばれると感じました。

実食

以上、取材レポートとなります。

まだまだ新型コロナウイルスの影響で、国際線に乗る機会はあまりないかもしれませんが、そのような機会がある方は是非とも食していただきたいと思います。

かつ丼断面