地域の関係者をつなぐ「中核人材」とは

昨今、インバウンドが地域経済における重要性を増す一方、外国人旅行者のニーズも多様化しています。ヴィーガン、ベジタリアン、ハラール、グルテンフリー、アレルギー対応など、「食の多様性」への対応は、もはや一店舗の飲食店だけで完結するテーマではなく、地域全体で取り組むべき重要な課題となっています。

旅行者に「また訪れたい」と思ってもらえる地域を実現するためには、自治体、DMO・観光協会、飲食店・ホテル、旅行会社、そして地域住民が共通の目標を持ち、それぞれの役割を果たしながら連携することが欠かせません。

その地域一体の取組を推進するうえで重要な役割を担うのが、事業趣旨を理解し、関係者をつなぎ、地域全体を動かす「中核人材」です。

5つのプレイヤーをつなぐ中核人材

自治体・行政

自治体は制度設計や予算確保だけでなく、中長期的な地域戦略の中へフードダイバーシティを位置付ける役割を担います。

観光協会・DMO

地域内の関係者をまとめ、情報発信やプロモーションを行い、「地域としてどう売るか」を設計します。

飲食店・ホテル

実際に旅行者を受け入れる現場です。メニュー開発や運用改善、スタッフ教育など、旅行者満足度を左右する最前線となります。

国内外の旅行会社

旅行商品の造成や販売だけでなく、旅行者から寄せられるニーズを地域へフィードバックする重要な存在です。

地域住民

観光は地域住民の理解と協力があって初めて持続可能になります。地域文化や資源を次世代へつなぐ役割も欠かせません。

「中核人材」が地域を動かす

これらのプレイヤーは、それぞれ単独では成果を出しにくいのが現実です。

例えば、

  • 飲食店が対応しても旅行会社が知らなければ団体送客がされない
  • DMOが情報発信しても店舗側の受入体制が整っていなければ満足度は上がらない
  • 行政が補助事業を実施しても事業終了後に継続されなければ地域の資産にはならない

だからこそ必要なのが、関係者同士をつなぎ、共通の目的を共有し、地域全体の取組を推進する中核人材です。

観光庁でも、持続可能な観光地域づくりにおいて、DMOや地域の中核人材の育成・確保、そして地域一体での取組の重要性を継続して示しています。

https://www.mlit.go.jp/kankocho/seisaku_seido/kihonkeikaku/jizoku_kankochi/

「対話・連携・共創」が成功の鍵

フードダイバーシティ対応は、「対応すること」自体がゴールではありません。

旅行者が安心して地域を訪れ、地域事業者が利益を得て、地域住民も観光を前向きに受け入れられる。そのような持続可能な地域を実現することが、本来の目的です。

そのためには、関係者同士が対話を重ね、それぞれの役割を理解しながら地域一体で取り組むことが欠かせません。そして、その取組の中心となり、関係者をつなぎ、地域を前へ進める存在が「中核人材」です。

皆様の街には、そのような中核人材がいるでしょうか。