ラマダン月の食事で重要なことは?
イスラム暦(ヒジュラ暦)の第9月にあたるラマダン月(断食月)はイスラム教徒にとって特別な時期であり、日の出から日没までの間、飲食を控えることが義務とされています。そして、日没後に最初に摂る食事が「イフタール(Iftar)」です。
本記事では、イフタールに適したメニューや、飲食店が行うべきサービスについてご紹介します。
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飲食店が行うと喜ばれるイフタール対応サービス
1. イフタール開始時間の掲示と特別営業時間
イフタールは日没と同時に始まるため、その日の正確な日没時間を掲示するとムスリム客にとって便利です。また、イフタール対応として営業時間を延長したり、ラマダン期間中の特別メニューを提供すると、より多くの利用客を迎えることができます。
正確な日没時間はお近くのモスクがHPやSNSで公開していることが多いです。
2. デーツ(ナツメヤシ)と水の無料提供
ムスリムはイフタールの際、まずデーツ(ナツメヤシ)と水を口にして断食を開けるのが一般的です。これは預言者ムハンマドの習慣に由来しており、多くのムスリムにとって重要な習慣です。来店して着席したらまずデーツと水を無料提供すると、ムスリムのお客様に喜ばれます。
3. グループ利用のための座席確保
イフタールは家族や友人とともに食事を楽しむことが多いため、グループ席を予約可能にすることが大切です。
4. 礼拝スペースの提供
飲食店内や近隣に礼拝スペースがあれば案内すると利便性が向上します。
5. 事前予約サービスの導入
ムスリムにとってイフタールの時間は基本的に同じなので、同時刻に一気に来店されると急激に混み合うことがあります。事前予約を受け付けるシステムを整えておくと、スムーズな対応が可能になります。
6. テイクアウトできるパーティセットの用意
ラマダン期間中は自宅に友人・知人を招き、大勢で食事をする機会も増えます。その際に、ホスト側の準備する手間が省けたり、参加者が手土産として持ち込めるようなパーティセットがあるととても喜ばれます。唐揚げ、フライドポテトなど。
イフタールで喜ばれるメニューとは?
イフタールは、断食明けの食事のため、消化に良く、栄養価の高い食材を使用したメニューが喜ばれます。以下のようなメニューを提供すると、多くのムスリムに受け入れられます。
1. 炭水化物メニュー(ご飯・パン・麺類)
ラマダン中のエネルギー補給のため、ご飯やパン、麺類を含むメニューが好まれます。
2. タンパク質豊富なメニュー
長時間の空腹を補うため、良質なタンパク質を含む料理が求められます。
- 鶏肉メニュー
- 焼き魚
- 卵焼き
3. ヘルシーなデザート
甘いものはイフタールの締めくくりに欠かせませんが、ナチュラルな甘さのデザートが好まれます。また日本ならではの和菓子(大福、たい焼き等)も人気があります。
- フルーツ盛り合わせ
- シャーベット
- 和菓子
新たな顧客を迎えるチャンスに
昨今ムスリム観光客や日本在住者が増加する中、ハラール対応店はイフタール対応を行うことで、普段は獲得できにくいお客様と新しい接点を作ることができます。上記のような基本的なポイントを押さえることで、より多くのムスリム客にとって利用しやすい環境を作り、異文化理解を深めながら新たな顧客層を開拓してみてはいかがでしょうか。