ラマダンの期間に信頼を積み上げる
ラマダン(断食月)は、ムスリムにとって一年の中でもっとも大切な時期のひとつです。2026年のラマダンは 2月17日(火)〜3月19日(木) にあたるとされています(※月の観測により前後する場合があります)。
この期間、ムスリムの方々は 日の出から日没まで飲食を控える 生活リズムになります。また、食事のタイミングや意味合いが普段とは大きく変わるため、飲食店にとっても少し工夫した配慮が求められる時期です。
もちろん、特別な設備や大きな投資をする必要はありません。この時期にはちょっとした気配りや準備をするだけで、ムスリムのお客さまとの信頼を積み上げることができます。その小さな対応の積み重ねが、「また来たい」と思ってもらえる体験につながります。
本記事では、ラマダンに向けて飲食店が無理なく取り組める準備について紹介します。

ラマダンの様子
1. デーツ(ナツメヤシ)を準備する
ラマダンの断食明け(イフタール)に最初に口にするものがデーツとなります。デーツはいわゆるラマダンを象徴する食べ物となります。
食事の前に小皿で出す、テイクアウトに添えるなど、ほんの一粒でも十分です。「ラマダンを理解している」というメッセージが、自然に伝わります。
2. テイクアウトの準備を整える
ラマダン中は、日没後に自宅で食事をする人が多く、テイクアウト需要が普段よりも高まります。
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日没前に受け取れるような受け渡し
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温め直ししやすい容器
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家族でシェアできる量やセット
店内飲食だけでなく、「持ち帰ることができる」という選択肢があることが、来店のハードルを下げます。
3. スタッフ間でラマダンの情報を共有する
スタッフ一人一人がすべてを詳しく知る必要はありませんが、スタッフ間で最低限の共通理解があるだけで、対応は大きく変わります。
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今はラマダンの時期であること
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ムスリムのお客さまは日中は食事をしていないこと
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日没後が来店しやすい時間帯であること
「知らなかった」ではなく、「知っている前提」で接することが、安心感につながります。
4. イフタールメニューを用意する
イフタール(ラマダンの断食明け)に向けて特別なメニューを新たに作らなくても、既存メニューをまとめた「ペラ1枚」の案内を用意しておくだけで十分です。
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イフタールにおすすめの料理
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シェアしやすいメニュー
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消化にやさしいもの
上記を簡単に整理しておくことで、「ラマダンを理解し、配慮している」というメッセージが自然に伝わります。完璧さよりも、気づいていること・考えていることが伝わることが大切です。

マレーシア「銀だこ」のイフタールメニュー
5. 「ラマダンムバラク」と一声かける
もしタイミングが合えば、お客さまに 「ラマダンムバラク(良いラマダンを・祝福されたラマダンを)」 と声をかけてみてください。
完璧な発音でなくても問題ありません。大切なのは、敬意を持って接していることが伝わることです。この一言で、距離が一気に縮まることもあります。
ラマダンは、信頼を積み上げる時期
ラマダン期間中は、お店としてムスリムのお客さまとの信頼を育てていく機会と考えることができます。
デーツを用意したり、テイクアウトの準備をしたり、イフタールメニューを配慮すれば、お客さまに「自分たちのことを分かってくれている」というメッセージを伝えることができます。こうした信頼の積み重ねが、結果としてリピーターにつながることもあります。
今年のラマダンに向けて、是非とも準備を進めていきましょう。
