フードダイバーシティを大枠で理解する

食の多様化対応を支援するフードダイバーシティ株式会社の守護です。

昨今、大変ありがたいことに「ヴィーガン、ハラールなどといったフードダイバーシティに対応したい」というお問合せを多く頂いています。本日はフードダイバーシティに対応する際にしっかりと押さえたい大枠のポイントについて解説したいと思います。

押さえるべきポイントは大きく3つあります。

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1、文化や宗教に対する尊重と理解

異なる文化や宗教に基づく食事のルールをしっかりと尊重して理解することが第一歩となります。何故イスラム教では豚肉を食べないのか、何故ヒンズー教では牛を食べないのか、何故ヴィーガンというライフスタイルを選択するのかなどの基礎情報は必ず知っておかないといけません。実はこれらを飛ばして方法論だけを学んで実践した企業様は残念ながら結果を出せていません。また、さまざまな食事制約に関する質問や要望に対して柔軟かつプロフェッショナルに対応するためのスタッフトレーニングも重要になります。

2、料理現場への配慮と合意形成

どのようなことであっても、新しい取り組みを始めるときには必ず社内で反対の声は上がります。いくら経営者が会社としてフードダイバーシティ対応の必要性を感じていても、料理現場への配慮なく進めてしまうと、この取り組みはうまく行くことはありません。重要なのは、フードダイバーシティ対応は料理現場に負担をかける取り組みではなく、負担を軽くする取り組みであることを、経営者と料理現場が共通認識を持つことです。多くの場合、料理現場は過去に受けたハラールやヴィーガンのセミナーなどで「負担のかかる取り組み」を学んでしまっていますので、それを払拭しなければいけません。

3、属人的な取り組みにせず、社内でフードダイバーシティ委員会設置

さまざまなお店で「担当の●●さんが退職したためハラールがもう対応できなくなった」という事象が多く起きています。社内で経営者が関わっていない場合、属人的な取り組みになりやすいので、会社としてしっかりと「フードダイバーシティ委員会」を設置してから、知識やノウハウを委員会に蓄積させながら進めていくことが重要になります。

 

以上となります。これからフードダイバーシティに取り組む企業様、すでに取り組んでいて更に伸ばしていきたい企業様にとって有意義な情報になっていたらとても嬉しく思います。また上記をしっかりと学ぶための講演・社内研修を、弊社フードダイバーシティ株式会社では承っておりますので、お気軽にお声がけくださいませ。

著者

守護 彰浩(しゅご あきひろ)
フードダイバーシティ株式会社 代表取締役
流通経済大学非常勤講師

1983年石川県生まれ。千葉大学卒業。2006年に世界一周を経験後、2007年楽天株式会社に入社し、食品分野を中心に様々な新規事業の立ち上げに関わる。2014年、多様な食文化に対応するレストラン情報を発信する「HALAL MEDIA JAPAN」を立ち上げ、フードダイバーシティ株式会社を創業。ハラールにおける国内最大級のトレードショー「HALAL EXPO JAPAN」を4年連続で開催し、国内外の事業者、及びムスリムを2万人以上動員。さらに2017年からはハラールだけでなく、ベジタリアン、ヴィーガン、コーシャ、グルテンフリー、アレルギーなどに事業領域を広げ、全国自治体・行政と連携しながら普及のための講演活動、及び集客のための情報発信を行う。2020年には総理大臣官邸で開催された観光戦略実行推進会議にて、菅総理大臣に食分野における政策を直接提言した。著書に「開国のイノベーション」(株式会社スリースパイス)。

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