「食べられる」で終わらせない天ぷら対応

飲食店の現場は日々忙しく、さまざまなお客様の要望に合わせた対応をすることは簡単ではありません。

例えば、

  • ムスリムのお客様に、みりんやアルコールを使用していない天つゆを用意できない
  • ヴィーガンのお客様に、魚介出汁を使用していない天つゆを用意できない

こうした場合、飲食店からよく聞かれるのが、「天ぷらは塩で食べてもらえばいい」という対応です。

もちろん食材に問題がなければ、対応として間違いではありません。現場の負担が少なく、誤提供のリスクも抑えられます。しかし、「食べられるか」だけでなく、「おいしく食べてもらえるか」まで考えると、本当に塩だけで十分なのでしょうか。

塩で天ぷらを食べることは日本人には自然でも、外国人には厳しいことがある

日本では、天ぷらを塩で食べることに違和感はありません。また、日本人は世界的に見ても食塩摂取量が多く、日常的に塩味に慣れています。

しかし、日本人にとって自然な「塩で食べる」という提案が、外国人旅行者にも同じように受け入れられるとは限りません。

実際に、私たちが飲食店を支援する現場でも、外国人のお客様から「Salty(塩辛い)」と言われるケースは少なくありません。特に複数の天ぷらを塩だけで食べ続けてもらう場合、塩味が直接的に感じられ、途中で食べ疲れてしまう可能性があります。

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「塩で食べてもらう」だけでは、満足度を高めるのは難しい

天つゆには、塩味だけでなく、出汁のうま味、醤油の香り、甘味などがあります。そのため、塩は「天つゆを使わずに食べる方法」にはなりますが、天つゆの代わりになるわけではありません。

もちろん、塩で天ぷらを提供すること自体が悪いわけではありません。ただし、お客様の満足度を高めたいのであれば、「天つゆを用意できないから、とりあえず塩で食べてもらう」という対応だけでは厳しいでしょう。

塩を選択肢の一つとして用意することと、塩しか選べない状態にすることは同じではありません。

目指すべきは、「日本で天ぷらを食べられた」ではなく、「日本で食べた天ぷらがおいしかった」と思ってもらうことです。

「食べられるようにした」の先に、「おいしく食べてもらうために何ができるか」を考える。お客様の満足度を高めたい店には、そこまで踏み込んだ対応が求められます。