“美味しいヴィーガン料理”を探す時代へ

近年、世界的にヴィーガン市場が拡大する中で、飲食店検索アプリも進化を続けています。

その中で最近注目を集めているのが、ポーランド発のベジタリアン・ヴィーガン向けアプリ「Spinach」です。

これまで、ヴィーガン旅行者向けアプリといえば、「HappyCow」が世界標準として知られてきました。しかし近年は、新しい価値観を持つサービスも登場しており、その一つがSpinachです。

本記事では、

  • Spinachとは何か
  • HappyCowとの違い
  • 飲食店として掲載する方法

について解説します。

Spinachとは?

Spinachは、ヴィーガン対応レストランやメニューを探せる新しいアプリで、iPhone版・Android版の両方が提供されており、世界中のヴィーガン対応店舗を検索できます。 (apps.apple.com)

このアプリを開発したのは、ポーランド出身のBartosz Filipowicz氏。同氏は、以前「HappyCow」で働いていた経歴を持ち、本人のLinkedIn投稿によると、2022〜2024年頃にHappyCowに在籍した後、独立してSpinachを立ち上げています。 (linkedin.com)

Spinachの最大の特徴は、HappyCowとは異なり、「完全ヴィーガン専門店」だけではなく、“一般のレストランで本当に美味しいヴィーガン料理を見つける”ことに重点を置いている点です。

特徴① 「料理のクオリティ」と「Vegan Friendliness(A〜E)」という2つの評価軸を採用

特に注目したいポイント、独自の2軸評価です。

ひとつは、純粋に料理の味や見た目を評価する「Food Rating(料理のクオリティ)」。
もうひとつは、「Vegan Friendliness(A〜E)」と呼ばれるヴィーガン対応度で、

  • 植物性タンパク質を使用しているか
  • メニュー表記が分かりやすいか
  • スタッフに知識があるか

などを総合的に評価しています。

また、Spinachは「レストラン単位」ではなく、「料理単位」で検索・ランキングできる点も特徴です。

例えば、

  • この街で一番美味しいヴィーガンラーメン
  • 人気のヴィーガンピザ
  • 高評価のヴィーガンバーガー

など、料理ごとに探せる設計となっています。

特徴② 広告や有料優遇掲載を排除

さらに、広告や有料優遇掲載を排除し、ユーザーレビューとデータ分析を重視した“ユーザーファースト”設計を掲げている点も特徴です。

検索順位を広告費で左右するのではなく、実際の利用者評価を重視している点は、既存グルメサービスとの差別化ポイントの一つと言えるでしょう。

特徴③ オフライン環境でも使いやすい設計

加えて、Spinachはオフライン環境でも使いやすいよう設計されており、海外旅行中でも保存済みデータやマップを確認しやすくなっています。

特に海外では、

  • 通信環境が不安定
  • SIMカードを利用していない
  • 地下や地方で電波が弱い

といったケースも少なくありません。

そうした旅行者目線の設計も、Spinachの特徴の一つです。

開発者がHappyCowに感じていた課題を解決

開発者であるBartosz Filipowicz氏は、以前「HappyCow」の運営にも関わっていましたが、その中で、

  • 情報更新の遅さ
  • 「ヴィーガンであること」が優先され、「美味しさ」が十分に評価されにくい構造

に課題を感じ、Spinachを立ち上げたと説明しています。

従来の「ヴィーガン対応しているか」という視点から、「本当に美味しいヴィーガン料理か」という視点へ。Spinachは、現在のヴィーガン市場の変化を象徴する新しいサービスとして注目されています。

HappyCowとSpinachの比較

項目 HappyCow Spinach
サービス開始 1999年 2025〜2026年頃
主な特徴 世界最大級DB UX・料理品質重視
掲載店舗数 約26.9万件 約21.8万件
登録メンバー 約150万人 非公開
一般飲食店評価 やや弱い 強い
日本での認知 高い これから
インバウンド影響力 非常に大きい 成長段階

飲食店として新規掲載申請・既存店舗の情報更新について

現時点で確認できる範囲では、Spinachはアプリ内から店舗掲載申請ができる仕組みになっています。

新規掲載申請の場合は

  1. アプリを開く
  2. 「You」を開く
  3. 「Add venue」を開く
  4. 店舗情報を入力

という流れです。

また、すでに掲載されているときの情報変更などをしたい場合は

  1. アプリを開く
  2. 店舗のページを開く
  3. 右上の「Suggest an edit」を開く
  4. 情報を入力

ただし、HappyCowのような明確な「オーナーダッシュボード」や管理画面は、現時点では大規模には公開されていないようです。
※UIはアップデートにより変更される可能性があります。

飲食店側が重要視すべきポイント

Spinachでは、単に

  • 「ヴィーガン対応可」

だけでは評価されにくく、

  • 美味しそうな写真
  • 実際に食べたくなる料理
  • 一般客にも魅力的な見た目

などが重要になります。

これは近年のヴィーガン市場の変化とも一致しています。

今後重要になる視点

従来は、

  • 「ヴィーガン対応しています」

だけでも差別化になりました。

しかし今後は、

“普通に美味しい”
“また食べたい”

という評価がより重要になっていく可能性があります。

Spinachは、その変化を象徴するサービスの一つと言えるでしょう。

まとめ

Spinachは、まだ新しいサービスではあるものの、

  • ユーザーファーストの設計
  • 料理品質重視
  • モダンなUI

など、従来のヴィーガンアプリとは異なる方向性を持っています。

一方で、現時点では依然としてHappyCowの影響力は非常に大きく、特にインバウンド対策としてはHappyCow掲載の重要性は高いままです。

ただし今後は、

“対応有無”から“料理品質”

へ市場が移行していく可能性もあり、Spinachのようなサービスがどこまで成長するのか、今後の動向に注目が集まります。