「知っている」と「できている」の間にある4つの壁
フードダイバーシティ株式会社では、自治体や観光協会、DMOの皆様と連携しながら、各地域のフードダイバーシティ対応の推進に向けたセミナーや研修会のお手伝いをさせていただく機会がございます。
しかし、
- 参加者の満足度は高かった
- アンケートの評価も良かった
- 始めてみようという声が多かった
にもかかわらず、その後に実際の取り組みが広がらないことは珍しくありません。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。その理由は、事業者が成果を出すまでには「4つの壁」が存在するからです。
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全体図
第1の壁:行動の壁
セミナー終了後、例外なく多くの事業者が以下のような壁に直面します。
- 日々の業務が忙しい
- 社内調整が難しい
- 料理長や経営層の理解が得られない
- いざ始めてみようとすると、何から手をつけていいのか分からない
その結果、「今は難しい」となり、行動に移せません。知識と実際の行動の間には、大きな壁が存在します。
第2の壁:技術の壁①(作ることができる)
実際に取り組み始めると、以下のような壁に直面します。
- 出したい味が出ない
- メニューのアイディアが出てこない
- この食材や調味料が使えるのか確認するのに時間がかかる
- 「この場合はどうなのか?」という判断に迷うケースが出てくる
ここで必要になるのが、知識を実践や日々のオペレーションに落とし込み、具体的な取り組みとして形にする技術です。
第3の壁 技術の壁②(売ることができる)
次に多くの事業者が当たる壁は「対応したのに売れない」というものです。
その理由は以下の5つが多いです。
- 料理がお客様のニーズと一致していない(例:お客様はラーメンを食べたいのに、サラダが出てきた)
- 味がお客様のニーズと一致していない(例:料理の塩味が強すぎた)
- 来店しやすい環境になっていない(例:Google Map、Instagram、Web周りの未整備、適切なメニュー表示等)
- お客様に情報が届いていない
- 旅行会社や宿泊施設など、送客につながる事業者との接点がない
つまり、作ることができることと、選ばれることは別の話です。ここで必要になるのが「売るための技術」です。
第4の壁 仕組み化の壁
売れるメニューになり、情報発信や販路開拓が進むと、徐々に成果が出始めます。
すると今度は、
- 問い合わせが増える
- 注文が増える
- 対応件数が増える
という新たな課題が生まれます。その際に
- オペレーションの負荷が大きい
- 特定スタッフしか知識がない
- 特定スタッフしか作れない
- 会社としてマニュアルが決まっていない
という状態では継続が困難です。ここで必要になるのが「仕組化」です。
オペレーション負荷を減らし、スタッフの誰でも対応ができる状態になって初めて、安定した成果につながります。
重要なのは「何事業者が行動し、継続できているか」
フードダイバーシティ対応を推進する上で、セミナーや研修会は重要な第一歩です。しかし、知識を得ることと、実際に成果を出すことの間にはSTEPがあります。
そのため、地域の受入環境整備を進める上では、セミナーの開催そのものを目的にするのではなく、その後に事業者が実際に行動し、継続できる環境をどのように作るかが重要になります。
フードダイバーシティ対応は、一度の研修で完成するものではありません。まずは行動し、知識を実践に落とし込み、技術を身につけ、組織として継続できる仕組みを構築して初めて成果につながります。
「セミナーを何回開催したか」「セミナーに何社が参加したか」ではなく、「何事業者が実際に行動し、継続できているか」。
この視点を持つことがとても重要になります。