ラマダン・イベントを活用した観光誘客の可能性

ラマダン時期の旅行者数は、従来と比べて変化しています。これまでこの期間は観光や旅行が落ち着く「静かな時期」とされてきましたが、最近のデータではその傾向が変わりつつあることがわかります。例えば、2025年のラマダン期間中には、UAEへの訪問者数が前年比で約6%増加しました。特に中価格帯の旅行者が多く、出発国も中央ヨーロッパや東ヨーロッパからの訪問が増えており、「ラマダン=旅行が少ない時期」というイメージを覆す動きが見られます。参考データ

こうした背景を受け、近年では各国の観光局や自治体がラマダン期間を活用して、地域への観光客誘致を積極的に進める事例が増えています。

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ドバイ(UAE) — ラマダン期間中の大規模イベント連動施策

  1. 30日間続くフェスティブ・イベント & 夜間アトラクション
    ドバイは ラマダン2026期間に毎日花火・ドローンショー・文化イベントを実施 し、断食明け(イフタール)後の夜間観光を盛り上げています。街全体をライトアップし、伝統・現代アート・家族向け体験を融合したプログラムとして観光客を引きつけています。

  2. Global Village(ドバイの文化観光拠点)での夜間プログラム
    ラマダン期間は 日没後〜深夜まで営業時間を延長、ライブパフォーマンス・文化体験・多国籍料理・ショッピングを楽しめる空間としてプロモーションを実施しています。外国人旅行者にも人気のスポットです。

エジプト — ラマダン&イード(断食明け祭り)のプロモーション

エジプト観光省は 「Ramadan in Egypt」キャンペーンを実施し、ラマダン期間中のエジプト観光の魅力をアピールしています。

  • ランタンライトや歴史都市の風情、地元料理や伝統行事をテーマにした映像や広告を、中東諸国の市場(サウジ・UAE・クウェート・ヨルダンなど)で発信。

  • 観光客を誘致しつつ、 ラマダンの文化体験を楽しめる旅として訴求 しています。

カタール — 伝統行事・文化展示と連動した観光施策

カタール観光局は 旧市街や歴史地区でのラマダンイベントや文化展示を企画

  • 書道や工芸ワークショップ、映画上映、伝統マーケット(Souq Al Wakrah Bazaar)など、家族連れでも楽しめるプログラムを用意。

  • イスラム文化を体験できる多様な催しとして、国内外の旅行者への誘客を促進しています。

サウジアラビア — 特定国向けラマダン旅行キャンペーン

サウジアラビア観光局は 「Embrace the Radiance of Ramadan Lights」キャンペーンを立ち上げ、インドなど特定市場向けに旅行誘致を強化 しています。

  • アルウラやレッドシー地域のパッケージや特別価格の提供、夜間体験ツアーなどをプロモーション。

  • ラマダン期間を「特別な旅行シーズン」と位置づけて、文化・自然・食体験を組み合わせた旅行商品を展開しています。

ロンドン(英国) — ラマダン・イルミネーション × 文化体験誘客

ロンドン・ピカデリーサーカスでは、ラマダンの期間に LEDライトによる大規模イルミネーションを実施。イスラム幾何学模様のデザインや、ハラール飲食店による「イフタール・トレイル」などを設け、都市として異文化理解と交流の推進を図っています。

米国コネチカット州(Bridgeport) — ラマダン・ナイトマーケット

アメリカ・コネチカットの Bridgeport では 「Ramadan Night Market」 を開催。

  • 4夜にわたり、 中東料理・音楽・ショッピング・文化体験 を楽しめるナイトマーケットとして企画され、観光客や地域住民の交流促進にも寄与しています。

  • ハラールフードベンダーや祈祷スペースの提供など、ムスリム旅行者に配慮した運営が特徴です。

まとめと日本の可能性

世界の主要都市では、ラマダン期間中に観光客を呼び込むためのキャンペーンやイベントが積極的に行われており、主なポイントは以下の通りです。

  • 夜間体験や文化イベントによって、旅行者を呼び込みやすい

  • 現地文化に触れられる体験要素が増えることで、旅行プランとしての魅力が高まる

  • プロモーションを通じて、「ラマダン=文化観光の好機」という認識を広げることができる

日本においても、こうした取り組みは十分に応用可能です。夜間観光や伝統文化体験、ハラール対応サービスの整備、多言語での情報発信などを組み合わせることで、ラマダン期間中に海外からの観光客を誘致する新たな市場を開拓できます。ラマダン期間は今後も成長が見込まれる市場であり、日本の観光業界にとって大きなチャンスとなるでしょう。