インバウンドが伸びている市場を見極める

日本政府観光局(JNTO)が2026年10月21日に発表した9月の訪日外客数は、310万3,700人。前年同月比5.0%減となった一方、韓国、台湾、シンガポール、インド、メキシコ、ロシア、中東地域の7市場では、9月として過去最高を記録しました。jnto.go.jp

全体の減少だけでは見えない、市場ごとの動き。その中で本記事が注目するのは、台湾・インド・中東地域です。これらの市場からの旅行者を積極的に受け入れるためには、ベジタリアンやハラールへの対応を、受け入れ体制の必須項目として位置づけることを提案します。

台湾市場には、ベジタリアンと「五葷」への理解を

台湾からの旅行者を迎える際に押さえておきたいのが、台湾の菜食文化「素食」です。伝統的な素食では、肉や魚だけでなく、ネギやニンニクなどの「五葷」を避ける食習慣があります。そのため、一般的なベジタリアンメニューを用意するだけでは、対応しきれない場合があります。

台湾市場への受け入れを強化するなら、ベジタリアン対応に加え、五葷を使用しない選択肢も準備することが重要です。 主な具材だけでなく、出汁や調味料、エキス、パウダーまで原材料を確認し、対応内容をメニューに明記する方法が考えられます。

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インド市場には、ベジタリアン・ハラールの両方を

インド市場では、ベジタリアンへの対応と、ムスリム旅行者に向けたハラール対応の両方を視野に入れる必要があります。インドには乳製品を摂取するラクト・ベジタリアンの食習慣があり、同時に、多くのムスリムが暮らしています。kagome.co.jp

「インド人向けだからベジタリアン料理だけ」「肉を食べる人なら何でもよい」と、一つの対応にまとめないことが大切です。 ベジタリアンにも卵や乳製品の可否などの違いがあり、出汁やエキスに含まれる動物性原料にも注意が必要です。予約時には、食べられない食材と必要な対応を具体的に確認しましょう。

ベジタリアン料理とハラールに配慮した料理を、それぞれどこまで提供できるのか。インド市場への誘客を進める事業者には、この整理を事前に行うことを勧めます。

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中東市場には、ハラール対応を受け入れの基本に

中東地域のムスリム旅行者を迎えるうえで、ハラール対応は欠かせません。確認すべき対象は豚肉だけではなく、食肉の処理方法や、料理・調味料に使うアルコールなどにも及びます。

受け入れ準備では、食材と調味料に加え、自店の対応範囲を具体的に示し、お客様が利用を判断できる情報を提供しましょう。JNTOの食の多様性に関する解説でも、店舗ごとの対応状況を正確に開示することが重視されています。jnto.go.jp

市場への誘客と、食事の受け入れ準備をセットに

本記事では、台湾市場にはベジタリアン・五葷フリー、インド市場にはベジタリアン・ハラール、中東地域のムスリム旅行者にはハラール対応を、誘客に伴う重要な準備として提案します。

これは、その国・地域から来る全員が同じ食習慣を持つという意味ではありません。市場の特徴を理解して選択肢を用意し、実際の提供時には一人ひとりの希望を確認する。その両方が必要です。観光庁も、多様な食習慣を持つ旅行者が安心して滞在できるよう、飲食店や宿泊施設に向けた受け入れ環境の整備を進めています。観光庁

どの市場からお客様を呼びたいのか。そのお客様が食べられる料理を、地域や施設で用意できているのか。 訪日客数の動きを、具体的な受け入れ準備につなげていきましょう。