食と地域産業をつなげる

食の多様化を支援するフードダイバーシティ株式会社の横山です。

Nikkei Asia 誌によると、訪日外国人の間で神戸牛を使った皮革製品が人気を集めているという。『神戸レザー』ブランドの「神戸レザースリッパ」は、19,800円の価格ながら、8月は前年同月の約2倍の売り上げを記録した。

契機となったのは、神戸レザー協同組合。神戸市の若手起業家らで2019年に設立された組合が神戸牛の活用を始めたことがきっかけという。KOBE BEEFという抜群のブランドを起点としたサステナブルな取り組みが注目されたと考えられる。

神戸市が所在する兵庫県は、姫路市・たつの市が、東京都墨田区、和歌山県と並び「皮革の三大産地」として知られている。生産量が日本最大で、現在でも200以上の工場が集積しており、牛の生産から皮革のなめしまでを県内で完結させている。

こうした食から地域産品を知ってもらうことは、地方創生策として長らく試みられてきた。食から文化を知り、訪問してもらう。そして地域産品も知ってもらう。まずは何からブランドを立たせるか、神戸レザーの取り組みは大いに参考になるだろう。

元記事:NIKKEI ASIA 2023/10/8
https://asia.nikkei.com/Business/Consumer/Foreign-tourists-in-Japan-snap-up-leather-products-from-Kobe-beef-cattle

著者

横山 真也
フードダイバーシティ株式会社 共同創業者
キャリアダイバーシティ株式会社 共同創業者
ヨコヤマ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
日本と海外での複数の起業が評価され、16年シンガポールマレー商工会議所から起業家賞を受賞(日本人初)
NNA ASIA経済ニュースコラムニスト
著書に「おいしいダイバーシティ~美食ニッポンを開国せよ~」(ころから株式会社)
ビジネス・ブレークスルー大学経営学部および東洋大学国際学部 非常勤講師