「認証を取ればお客様が来る」は大きな誤解
「ハラール認証を取得しました。」
飲食店、宿泊施設の担当者から、このような報告を受けることがあります。
もちろん、ハラール認証の取得自体は努力の成果の一つです。しかし実際には、認証取得後も来店がほとんどなく、あるいは期待していたほどムスリム旅行者が増えず、「なぜ成果につながらないのだろう」と弊社が相談を受けるケースも少なくありません。
その理由はシンプルです。
認証取得と集客は、まったく別の話だからです。

認証を取ればお客様が来るわけではない
例えば、日本人が海外旅行へ行く際を考えてみてください。
どれだけ素晴らしいレストランであっても、
- Google Mapsに掲載されていない
- 営業時間が分からない
- メニューが確認できない
- 写真がない
このような状態であれば、そもそも候補に入りません。
ムスリム旅行者も同じです。ハラール認証を取得していても、その情報が旅行者に届いていなければ存在していないのと変わりません。
Google Mapsに情報がない
実際、多くの旅行者はGoogle Mapsを利用して飲食店を探しています。
「Halal restaurant near me」
「Halal food in Tokyo」
「Muslim friendly restaurant」
といった検索を行い、その中から候補を選びます。
しかし、
- ハラール対応の記載がない
- 写真が少ない
- 英語説明がない
- メニュー情報がない
という店舗は、認証を取得していても検索結果の中で埋もれてしまいます。
まず優先すべきは、認証取得そのものではなく、旅行者が見つけられる状態を作ることです。
Instagramに情報がない、もしくは更新されていない
近年、多くの旅行者はGoogle MapsだけでなくInstagramも利用して飲食店を探しています。
特に東南アジアや中東の旅行者の中には、Instagramで店の雰囲気や料理写真を確認してから来店先を決める人も少なくありません。
しかし、
- ハラール対応について投稿していない
- 最終更新が数年前で止まっている
- 英語での説明がない
- メニュー写真が少ない
という状態では、せっかく認証を取得していても旅行者には伝わりません。
認証を取得したことよりも、その情報を継続的に発信することの方が重要です。
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英語で説明できていない
認証マークを掲示しているだけでは、旅行者は安心できません。
旅行者が知りたいのは、
- どのような認証なのか
- 何に対応しているのか
- アルコールは提供しているのか
- 豚肉は扱っているのか
といった具体的な情報です。
実際にそれらの多くが日本語のみで説明されているケースも多く、当然ながら海外から訪れる旅行者には伝わりません。せっかく対応していても、伝わらなければ選ばれません。
旅行会社や宿泊施設との接点がない
ムスリム旅行者の中には、個人旅行だけでなく団体旅行やパッケージツアーを利用する人もいます。
そのため、
- 旅行会社
- ランドオペレーター
- ホテル
- DMO
- 観光案内所
との連携も重要です。
認証取得後に「待ち」の状態になっている施設は少なくありません。
一方で成果を出している施設は、自ら情報提供を行い、地域の関係者との接点を増やしています。
成功している事業者が考えていること
実際に成果を出している事業者は、
「認証を取るかどうか」
ではなく、
「どうやって旅行者に見つけてもらうか」
を重視しています。
具体的には、
- Google Mapsの整備
- 英語での情報発信
- SNS活用
- 旅行会社との連携
- 口コミ獲得
- 地域内での紹介体制構築
などに力を入れています。
認証はその取り組みを支える一つの要素に過ぎません。
まとめ
ハラール認証は決して無意味ではありません。
しかし、認証取得だけで集客が実現するわけでもありません。
旅行者は認証を探しているのではなく、
「自分が安心して利用できる店を探している」のです。
そのために必要なのは、認証取得そのものではなく、
- 見つけてもらうこと
- 理解してもらうこと
- 安心してもらうこと
です。
ハラール対応を検討する際は、認証取得をゴールにするのではなく、その先にある「旅行者との接点づくり」まで含めて考えることが重要ではないでしょうか。