長崎県の飲食店・宿泊施設向けセミナー

2025年7月24日(木)、一般社団法人長崎国際観光コンベンション協会(DMO NAGASAKI)が主催で「長崎の定番グルメ・スイーツで学ぶ!プロのシェフから学ぶ!ヴィーガン・ハラール等の多様な食文化対応セミナー ※実食付き」九州電力長崎営業所キッチンスタジオにて開催され、長崎県内の飲食店、宿泊施設関係者が30名参加しました。
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プログラム

「外食の多様性に関する基礎情報と訪日外国人観光客のニーズについて」(60分)
講師:フードダイバーシティ 株式会社 代表取締役 守護 彰浩

「長崎のご当地料理を食べて学ぶ」(90分)
講師:株式会社Funfair   菜道シェフ 楠本 勝三 氏

質疑応答(30分)

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当日の様子

長崎で求められるフードダイバーシティ対応とは

弊社代表守護からは世界のフードダイバーシティ市場や、ルールの全体感、ベジタリアンをベースに考えること、旅行者のニーズ、具体的に使用できる食材や調味料の選び方、さらに違いよりも共通点を見て考える必要性が語られました。

またヴィーガンやハラールなどの分野は「難しそう」と思われがちな分野で、それぞれの専用メニューを作るとオペレーションも含めて大変になりますが、共通点を整理して「みんなが食べられるもの」を一般メニュー化しておくことで、調理現場のストレスが大幅に削減されることが説明されました。

違いよりも共通点を抑える考え方

例えばベーコンをキノコに変えるだけで多くの対応ができる

ヴィーガンは多くの方に提供できるメニュー

続いて、世界一のヴィーガンレストランの評価を持つ東京自由が丘「菜道」の楠本シェフから6品の試食が提供されました。提供メニューは以下の通りとなります。

・無水カレーちゃんぽん
※ご協賛:エスビー食品社のアレルゲンフリー(28品目不使用)カレーフレーク
・黒胡麻ちゃんぽん
・トルコライス
※ご協賛:エスビー食品社のアレルゲンフリー(28品目不使用)ハヤシフレーク
・ベビーカステラ
・ハラール牛雑炊
※ご協賛:ゼンカイミート社のスネ肉
・ローストビーフ(カットしただけ)
※ご協賛:ゼンカイミート

試食の提供後、楠本シェフからそれぞれのメニューにおいて、考え方、使用した原材料や調味料、味を出すための工夫点、売り方など詳細の解説が行われていきました。

さらに長崎の名物であるカステラについて、「卵を使わずに作ろうとすると非常に難しく、ある程度のクオリティに仕上がったとしても、結局は通常のカステラと比べて●●という評価になってしまう。それよりも、ベビーカステラをアレンジするという選択肢もある。チョコや抹茶などのフレーバーで工夫し、串に刺してワンハンドで食べられるようにすれば、新たな長崎名物として展開できるのではないか」という提案が行われました。

提供したメニュー

提供した試食メニュー対応表

カステラに関する提案

イメージ

参加者からは「動物性原材料を使わずに同じ味を出そうと頑張るよりかは、別の料理として仕上げるのも一つの選択肢だと分かりました。ベビーカステラのアイディアは目から鱗でした。」「参加前は難しい話だと思っていましたが、すぐにできそうな内容ばかりでしたので、早速明日からやってみたい。」「みりんの代替、卵の代替に関してプロのシェフの思考の深さを学ぶことができました。」などの声が上がり、熱気を帯びたままセミナーは終了しました。

一般社団法人長崎国際観光コンベンション協会(DMO NAGASAKI)は今後も長崎で、食の多様化に関する事業を推進していく予定とのことです。