大阪G20へ空前の準備、警官2.5万人、日本初主催
28~29日に大阪で開く20カ国・地域首脳会議(G20サミット)まで3週間あまりとなった。米国や中国、ロシアをはじめ37の国・地域、国際機関の首脳が集まり、世界経済や貿易、エネルギー、デジタル社会のあり方などを議論する。外務省は「日本が主催する国際会議としては史上最大規模」と強調する。警備体制の整備など大がかりな準備が進んでいる。

参加するのはトランプ米大統領や中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席、ロシアのプーチン大統領らG20の首脳、閣僚だ。スペイン、シンガポールなどの招待国、欧州連合(EU)、国連など地域・国際機関のトップも出席する。日本は主要7カ国首脳会議(G7サミット)やアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議、アフリカ開発会議(TICAD)を開いた経験はあるがG20サミットは初めてだ。

政府関係者によると全国から2万5千人を超える警察官が大阪とその周辺に集まる。サミット関連施設の周辺ではドローンの飛行を禁じ、見通しを悪くする街路樹を剪定(せんてい)している。
各国首脳や随行員の宿泊先は1年前から確保している。2018年6月、大阪市内のホテルの客室を計3万人分、予約した。閣僚や官僚も同行するため規模が膨らむ。
首脳の多くは専用機で関西国際空港に到着する。外務省は国土交通省、関空と協力し、通常の運航ダイヤの合間に離着陸できるよう調整している。関空内にすべての専用機やチャーター機を駐機する場所はない。関空以外の空港に航空機を待避させて停留しておく。
関空に到着した各国首脳は主に車で移動する。一部の首脳には特別仕様の防弾車を用意する。
サミット会場の大阪国際見本市会場(インテックス大阪)の設営も大詰めだ。サミットや関連会合以外にも、参加国同士の首脳会談がある。2国間の首脳会談を約200回は開けるように約20の部屋を確保した。
食文化への配慮も欠かせない。各国大使館を通じて首脳らの好みを調べ、イスラム教徒(ムスリム)でも食べられる「ハラール食」やベジタリアンに対応する。
交通規制などで住民の生活にも影響が出てくる。外務省などは住民説明会や小中学校での勉強会を開いている。
外務省が18年4月に設置したG20サミット事務局は当初、十数人で始まった。期間中は在外公館などの人材を含め約500人の体制で臨む。